カトリック八王子教会と、ルーツ泉町集会所をたどる巡礼さんぽ

とまにちわ!

四ツ谷駅から中央線に揺られて八王子駅へ向かいました。
のどかさが車窓に広がり、「巡礼」とは名ばかりの遠足気分になります。

実は八王子という街には、ちょっとした思い出があります。
かつてこの地には、聖パウロ修道会の修学院(修道院)がありました。
学生時代はその修学院で生活していたので、八王子の町並みや空気には懐かしさを感じます。

竣工時(奥が修道院で手前が学校)

今では修道院はなくなり、「聖パウロ学園」だけがその名残を伝えています。
駅前の風景や通っていた道も少しずつ変わりましたが、空の広さやゆったりとした時間の流れには、当時の記憶が重なる瞬間がありました。

そんなことを思い出しながら、駅からスマホのナビに従って歩くこと約10分。
カトリック八王子教会に到着しました!

この教会は、八王子で100年以上の歴史を持つ由緒ある存在です。
教会のルーツは、1876年にパリ外国宣教会のテストヴィド神父が下壱分方(現在の八王子市泉町)で宣教を始めたことにさかのぼります。
当初は信徒ゼロからのスタートでしたが、翌年、横浜で改宗した塚本五郎氏の協力もあり、元八王子村に拠点ができました。

その後、1889年に三崎町に最初の礼拝堂が建てられ、1896年には本町に新しい聖堂が着工されましたが、翌年の大火で焼失してしまいました。
1913年に再建されたものの、今度は戦災でまた焼けてしまい、現在の聖堂が完成したのは1950年のことです。
このように、何度も焼けては建て直されてきた、不屈の教会といえるでしょう。

聖堂の内部には、中央に赤い絨毯が敷かれ、奥には重厚な祭壇があります。
ステンドグラスの色合いもやさしく、告解室や朗読台、聖水盤など、どれも昭和25年の建築らしい整然とした落ち着きがあります。

聖堂の入口には「新聖堂建設検討中」の貼り紙がひっそりと掲示されていました。
どうやら、建物の老朽化や今後の信徒数の変化を見据えて、新しい聖堂の可能性が検討されているようです。

その後、いったん駅まで戻り、今度はバスで「四谷」バス停へ向かいました。
徒歩5分ほどで、泉町集会所(泉町分教会)に到着しました!

ここが、八王子教会の原点ともいえる場所です。
1877年に宣教拠点が設けられた地で、現在の聖堂は1927年に建てられたものだそうです。
今でも毎月最終金曜日にはミサが行われており、ひっそりとではありますが、確かな信仰の火が灯り続けています。

現在は「泉町集会所」として運営されています。
東京教区の公示によると、歴史的価値は認められつつも、分教会としての機能は終了し、今後は地域の集会の場として用いられるとのことでした。
現地は静かな住宅街の一角にあり、裏手にはパリ外国宣教会の神父たちのお墓も残っています。
まるで時間がゆっくりと流れているような空気に包まれていて、少しだけタイムスリップしたような気持ちになりました。

帰り道は、八王子の名物だという「都まんじゅう」をいただきました。
黒糖風味の生地に白あんが包まれ、ふんわりしっとりとした口当たり。
地元の方々に長く愛されてきた味なのだろうと感じました。

当日の様子はYouTubeにもまとめています。
歩きながら感じた空気をそのまま記録していますので、ぜひご覧ください。

八王子で味わった、歴史と信仰と甘味の巡礼旅。
東京の奥深さを改めて感じた一日となりました!

TomaP

とまぴー。カトリック聖パウロ修道会の修道士です。ゆるいのが好きです。よろしくお願いします。

関連記事